2017年01月24日

仕事の質と語学力と

1週間ほどモスクワに仕事で行っていた。
会社の年次イベントがあったのでそれに参加して、
各種プレゼン、ミーティングを終えてきた。

久しぶりにこんなにエキサイティングな行事に
参加したと思った。そしていろんなことが起きて、
私にとっては自信になる出来事がたくさん起きた。

そしてモスクワは想像もしていなかったほど、
美しい街だった。


Moscow 230117.jpg

この年次イベントは長い歴史を持つ今の会社に
とって重要なイベントの1つ。それと同時に、
全世界に散らばっている社員が、年に1回顔を合わせる
ことの出来る大切な機会でもある。

ただし、このカンファレンスは全社員が参加できるわけ
ではなく、主にセールスに関わる人、社内の
主要プロジェクトに参加しているメンバーのみが
出席出来るものでもある。

私の場合、関わっているプロジェクトが会社の目玉に
なるものであるため、おそらく入社時から参加することが
決まっていたと思われる。

前半は社内のミーティング、プレゼン内容の共有など、
内部だけの行事だった。そこで事件は起きた。

社内のセールス向けに行ったプレゼン。
同僚のアメリカ人が行ったプレゼンに批判が集中した。
分かりにくいだけではなく、全然伝わらない、セールスが
経営者レベルの人たちにプレゼンする際に適さないフォーマット、
などなど全く彼らのニーズに合わないものを提案し、大批判を受け、
大変な状況に陥った。

彼がしどろもどろになったその時、
一緒のチームで働くドイツ人と、
12月ずっとプロジェクトを共にしてきたセールスの一人が、
「Lograyのプレゼンはもっと全然違う形。ここであれを見せるべき」
と発言してきた。

私は知っていた。私のプレゼンのほうが遥かに分かりやすいことを。
だからこそ、事前にアメリカ人同僚に、こうしたほうがいいって
アドバイスしたのに、彼は反論しただけで聞く耳を持たなかった。

私のプレゼンが終わった。拍手大喝采だった。
これこそ待ち望んでいた形、これならGMレベルに話が出来る。
かつてないほどの大絶賛をもらった。

アメリカ人同僚は完全に生気を失っていた。
それから彼は具合が悪いと言い続け、ワークショップを
こなした以外、他のイベントに顔を見せず、セールスの
会議も無断で欠席し、皆の信頼を失っていった。
ディナーも一切出席せず、部屋にこもっていた。
普段は豪快に話す人だからこそ、皆、彼のその行動に
驚きと残念さを感じていた。

何が私と彼で違ったのか?

1. 人の話を聞く
簡単なことだが意外と出来ない人が多い。
彼は自分に自信がある余り、セールスを下に見て
彼らの意見に聞く耳を持たなかった。

セールスはクライアントを一番よく知る、
どうしたら上手くやり取りできるか、売上が
上げられるかを知っているキーパーソンだ。

彼はセールスの意見を無視し自分の信じる方向に
進んだ。そして世界中のセールスから冷たい目で
見られ信頼を失った。

2. グローバル企業での経験
ここは残念ながらアメリカ人の苦手分野だ。
彼は今までアメリカ人以外と働いたことがほぼない。
アメリカ国内で教育を受け、キャリアを積み、今に至る。
どうやって他国のチームとやり取りするのか?を
経験していない。特色も分かっていない。

私は大変な思いをしながらも5年弱、いろんな国の人たちに
揉まれて仕事してきた。MBAでの経験もここで生きている。
多国籍のチームになった時にどうやって立ち回るのか?
上手くプロジェクトを進めるにはどうしたらいいのか?

今のヨーロッパチームも国籍・住んでる場所によって
全く違うキャラクターが存在する。
私は毎日それに揉まれている。

片や、アメリカ人同僚は、アメリカでアメリカ人一色の
中で働き、他国とのやり取りがほとんどない。というか
しようとしていない。

同僚だしチームの一員なので、何とか上手く一緒に
仕事出来るように私も努めている。それでも最後には、
自分で動かない限り物事は進まない。


3. 経験と自信のバランス
彼はアメリカの大学で週末パートタイムで教壇に
立っている。つい先日、Phdを取得し博士になったばかりだ。
私と同様に、10年以上この業界で働いている。
経験と知識を持ち合わせて、プレゼンは得意と自負していた。

学ぶ姿勢というのは常にこの業界だからこそ
更に忘れてはいけない。今新しいものも明日には
古くなる可能性だってあるのだ。

驕ってはいけない。常に学ぶ機会はある。

私は英語ネイティブではない。間違いもたくさんするし、
発音だって日本人英語っぽいはずだ。それでも、私は
各国のセールスから絶賛を受けた。

英語力ではないのだ。もしかしたらだけど、彼は
自分が英語ネイティブであることに自信を持っている
んだろう。まさかこの私に負ける日が来るとは思いも
しなかったんだろう。

自信は必要だが、驕ってはいけない。


結果として、私も彼にがっかりしてしまった。
その後の行動次第で巻き返せたのに、彼は完全に
籠ってしまった。外へ出て何とか改善しようと
試みなかった。

そして極め付けが、ボスの顔ばかり見ているという
その態度だった。アメリカ人でこういう人、前の会社でも
良く見たけれど、それで本当にうまくいってる人を
見たことがない。

ボスは大事だ。ただクライアントはボスじゃない。
一緒に仕事するのもボスじゃなく、セールスだ。
二人で行ったワークショップ後、彼の言った言葉は
「ボスが苦い顔して出て行った」
私としては
「おい!そこかよ!!!!」だった。
ワークショップは、オーディエンスがいてなんぼ。
ワークショップの内容もボスが言ったから、という理由で
それに従うことをメインに構成したため、ストーリーの
ないプレゼンになってしまった。


この事件が起きた結果、彼は信頼を失い、私は信頼を
獲得した。セールスから言われたのは、
「どっちと仕事したいかは、私たちが決められる。
私はLograyを選ぶ。きちんと仕事してくれる、話が分かる、
結果を出してくれる人と仕事したいから」
という言葉。

嬉しい反面、チームで動く仕事でもあるので、
私は彼を何とかしなくてはいけない。

これから私のチームビルディング経験が始まる。

ただ同時に、彼はもしかしてアメリカ企業で
働くべきなんじゃないかと思っていたりもする。
グローバルな環境は誰にでも合うわけじゃない。
彼が最もパフォーマンスを高められるのは、
アメリカ人の中で働くことなんじゃないかと
頭をよぎっているのも事実だ。
posted by Logray at 01:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 5-3. フルタイムのお仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
出張お疲れさまでした。語学に関しては、手前味噌ですが、アメリカ人の同僚の方の話を読んで私のBlogに書いたエントリーを思い出しました。http://hammertcd.hatenablog.com/entry/2016/10/21/053346
ただグローバル経験がある人や語学分野のプロ(私のMBAチームメイトに米国人で英語教師の経験がある人がいました)は、語学はスキルに過ぎないと断言していました。
私もLograyさんのように確固たる専門性を身に付けたいですね。またお話しさせてください。とりあえず今週末はゆっくりお休みくださいませ。
Posted by hammer at 2017年01月28日 02:28
>hammerさん

この記事、読ませていただきました。似た体験されてますね。多国籍の中にいると、そして発言力の強い英語ネイティブと一緒にいると気づきますよね。英語ネイティブは、その強みが故に自分の弱みに気付けないという。

専門性も大事ですが、各国の人たちとどういう風に付き合うのか、やり取りしていくのかを経験して仕事に活かすのが大事だなーと思います。
Posted by Logray at 2017年01月29日 18:58
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